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ビルを親から引き継ぐなら必ず覚えておきたい6種類の経費

(写真=zhu difeng/Shutterstock.com)

親が保有するビルをいずれ引き継ぐ人にとって、「ビル経営でどのような経費がかかるのか」を把握しておくことは、引き継ぐビルの長期的な展望を見通すうえで非常に重要です。この記事ではビル経営における主な維持経費を6つ紹介します。

①運営費用

運営費用はその多くを人件費が占めています。主に入居企業から入金される賃料や共益費などの収入と管理費などの支出に関する会計業務などが一般的です。また入居企業からの問い合わせやクレームに対する応対、ビル運営において入居企業の満足度を高めるための取り組みやビルのブランディングなどに関するものを含みます。ビル運営の中期計画や長期計画の立案に関する業務も運営費用です。

そのほかビルが所属する町内会への協力や警察や消防など関係官庁などに対応する業務などに関する業務も、運営費用の一部として計上されます。

②管理費用

管理費用には大きく分けて、設備管理や保守管理、警備、清掃、衛生に関する費用があります。

・設備管理や保守管理に関する費用
例えば非常用電源設備やエレベーター、空調、冷暖房などの設備の日常的な点検から、消耗品の管理や交換などに関するものです。

・警備費用
基本的な来館者の入館・退館管理や、建物内に不審物が持ち込まれていないかの監視、時間帯によっては来館者の受付などが含まれることもあります。警備業務を業者に依頼する場合には、委託費用が管理費用として計上されるため注意しましょう。

・清掃費用
ビルの共用部を清掃するコストも管理費用に含まれます。テナントに貸しているテナント占有部は、一般的に別途契約していない限りビル所有者側で清掃費用を負担する必要はありません。

・衛生費用
そのほかビル経営においては衛生に関する費用もかかります。ゴミの処理や害虫駆除のほか、貯水槽や浄化槽の衛生状態を管理する業務に関するものも衛生費用です。ビルが建てられている地域によっては、除排雪に関する費用も必要になります。

③光熱費

ビルは共用部とテナントの占有部に分かれ、それぞれで光熱費に関する考え方が異なります。共用部における電気・水道・ガスの料金の支払いは、入居企業から受け取る共益費の一部を充てるのが一般的です。またテナント側の占有部における電気・水道・ガスの料金の支払いに関しては、あらかじめ入居企業側と合意した料金単価で計算されます。

④修繕費

建設から時間が経つと、経年劣化によってビルの内部・外部でそれぞれ修繕が必要になる箇所が出てきます。例えば外壁など建築仕上げ材に関する修繕やトイレや給湯室の水回りの修理、照明設備やエレベーター設備、空調設備の更新に関するものなどがあり、ケースによっては高額になることも少なくありません。そのためあらかじめ留意しておくことが重要です。

⑤損害保険料

損害保険料もビル経営における諸経費として必要になってきます。特に覚えておきたいことは、火災保険の場合、入居するテナントの業種などによって火災保険料が変わってくるということです。例えば、飲食店など火を使う店舗がビル1階の店舗に入居する場合は、その分、火災保険料が割り増しになります。つまりビルによっては飲食店ばかりが入居するケースもあるかもしれませんが、その場合オフィスビルよりは火災保険料が高くなる傾向です。

⑥税金

ビル運営に限りませんが、税金の支払いも常に念頭に置いておく必要があります。土地と建物に対する固定資産税や法人税のほか、不動産を親から引き継ぐ際には相続税や贈与税などの知識についても押さえておかなければなりません。

長期的な目線でビル運営を

ビル経営においては月々にかかる費用についてのほか、長期的な目線でどれくらいコストがかかるのかを見通しておくことが必要です。こうした点を考慮したうえでビルの経営計画を立てておかなければ、適切な賃料設定なども難しくなるでしょう。