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民泊は店舗や小規模オフィスビルでもできる?規制のポイントは

(写真=Imagenet/Shutterstock.com)

民泊が注目を集めています。日本政府観光局の資料によると、2018年度の訪日外客数は約3,119万人です。訪日外客数は、2008年には約835万人でしたが、2013年には1,036万人、2015年1,973万人、2017年2,869万人と日本を訪れる外国人は増加の一途をたどっているため、宿泊施設は足らなくなる可能性も否めません。

稼働していない店舗や小規模オフィスビルを民泊物件として使用できれば、収益アップにつながる可能性が高いといえます。ただし住宅以外の建物を転用する際には、設備や用途などの要件に注意しなければなりません。

民泊の概要

民泊の定義は法律で明確に定められているわけではありません。一般的には、住宅に人を泊めてお金をもらうビジネスのことを指します。基本的に宿泊させて代金をもらう事業には、旅館業法のもと都道府県知事の許可が必要です。しかし個人の住宅を利用する民泊の要件としては厳しすぎるため、いくつかの緩和措置がとられました。

具体的には「国家戦略特区の指定」「住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行」「旅館業法の改正」の3つです。このうち国家戦略特区は地域が限られていたり、2泊3日以上の滞在を条件とされていたりと厳しい規制も多く、まだ一般的に浸透しているとはいえません。もしこれから民泊営業するのであれば、「旅館業法上の簡易宿所として許可を受けるか」「住宅宿泊事業法の事業者として届け出をするか」のどちらかが、主な選択肢となるでしょう。

簡易宿所の要件

民泊ニーズの増加にともない、旅館業法が改正されて簡易宿所の規制が緩和されました。住宅宿泊事業法と違って宿泊日数の上限がないため、あえてこちらを選ぶオーナーも少なくありません。要件としてまず挙げられるのは用途地域です。住居専用地域では、許可を受けることができません。これらの地域の店舗を転用したいと考える人は注意しておきましょう。

設備の要件として、まず床面積は宿泊客10人未満の場合、1人あたり3.3平方メートル以上が必要です。この面積は足を踏み入れ可能な場所のことであり、クローゼットや手洗いシンクなどは含めません。その他の設備については、各自治体の条例で定められています。例えば東京都の場合、トイレが各部屋になければ、原則として各階に宿泊客専用のものを男女別に設けなければなりません。

また風呂や寝具、洗面所なども必要です。消防法関連の設備についても規制されています。規模によっては誘導灯や消防設備の設置が必須となります。床面積や構造などによって基準が細かく定められているので、消防署に相談してみてください。

住宅宿泊事業法の要件

2018年に施行された住宅宿泊事業法は、民泊新法とも呼ばれています。先ほどの旅館業法は原則的に禁止されていることを一定の条件のもとで認める許可制ですが、住宅宿泊事業法は比較的取り組みやすい届出制です。しかし年間の宿泊日数に180日という上限があることが、妨げになると感じる人も少なくありません。

用途地域に法律上の制限はありませんが、自治体の条例によっては規制していることがあります。設備要件としては、風呂やトイレ、洗面設備、台所が必要です。それぞれが独立していないユニットバスのようなものでも構いません。届け出を出す際には、消防法上の書類も添付する必要があります。規模によっては非常用照明器具やスプリンクラーを設置しなければなりません。

住宅宿泊事業法は一般的な住宅を貸し出すことを想定しています。店舗やオフィスを利用する場合には、用途変更という手続きが必要です。そのためには建築や法令に関する知識がないと難しいことがあります。

店舗やオフィスなどの民泊への転用は不動産会社に相談を

店舗やオフィスを民泊に転用することは可能です。ただしその場合、トイレやお風呂、消防設備など地域の条例に合った設備を備えなければなりません。住宅宿泊事業法にもとづいて営業する場合は用途変更の手続きも必要です。民泊の管理に実績のある不動産会社と付き合いがある人は、相談してみるとよいでしょう。