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選ばれるオフィスビルの条件とは?企業が新規賃貸する理由TOP10

(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)

企業はどのような理由でビルに入居したり転居したりするのでしょうか。その理由はさまざまですが、傾向を押さえておくことでビル投資において選ばれやすい物件を見つけやすくなることが期待できるでしょう。ここでは新規賃借に関するTOP10の理由や選ばれやすいオフィスビルの条件について解説します。

企業はどのような理由で入居・転居する?1~3位

大手ディベロッパーの森ビル株式会社は2003年から毎年1回、「東京23区オフィスニーズに関する調査」を実施。この調査の中で「新規賃借する理由」を複数回答で聞いており推移も公表しています。2018年の調査結果をもとに「企業の入居および転居の理由」1~3位を考察していきましょう。

  • 1位:業容・人員拡大(36%)
  • 2位:立地の良いビルに移りたい(32%)
  • 3位:1フロア面積が大きなビルに移りたい(27%)

1位:業容・人員拡大 36%

最も多かった理由が「業容・人員拡大」で36%でした。業務の拡大などが人員を増やすきっかけになり、そこから「さらに広いオフィスへ移転したい」というニーズが発生します。2017年も同じ36%という数字だったこと、「業容・人員拡大」は2013年から6年連続で企業転居理由の首位となっていることから、このニーズは底堅いことが分かります。

2位:立地の良いビルに移りたい 32%

2番目に多かった理由が「立地の良いビルに移りたい」で32%でした。2017年からは2ポイント数字を上昇させています。この理由には大きく分けて2つの側面が考えられます。従業員の利便性と、取引先・営業先等、顧客に関わる利便性です。従業員の通勤を考え駅やバス停などから近い方が良いことなどはもちろん、その企業にとって取引先企業や営業先企業が近くに多く存在するかどうかは企業の業績に直接関連してくるため、選定の大きな理由になり得ます。

3位:1フロア面積が大きなビルに移りたい 27%

3番目に多かった理由が「1フロア面積が大きなビルに移りたい」で27%でした。2017年から1ポイント数字を上昇させています。1フロアが大きいと、その分、限られた面積を有効活用しやすくなり、部署ごとのレイアウト設計の自由度も増します。同じ階の別なフロアを複数借りている場合や別な階でフロアを複数借りている場合と比較すれば、1フロア面積が大きい方が利用効率の高いことは明らかです。

4~10位|賃料よりも設備の利用効率を重視する意見が多い!

4~10位以下は次のような結果になっています。

  • 4位:設備グレードが高いビルに移りたい(22%)
  • 4位:耐震性の優れたビルに移りたい(22%)
  • 4位:セキュリティの優れたビルに移りたい(22%)
  • 7位:賃料の安いビルに移りたい(19%)
  • 8位:防災体制、バックアップ体制の優れたビルに移りたい(14%)
  • 8位:企業ステイタスの向上(14%)
  • 10位:入居中のオフィスビルが立て替えるため(11%)

この結果から、賃料よりも利用効率を重視して入居や転居を考えていることがうかがえます。

同率4位は3つ|設備の向上を求める理由が多い(22%)

「設備グレードが高いビル」「耐久性の優れたビル」「セキュリティの優れたビル」へ移りたいという理由が同率4位で22%でした。

共用空間やエントランス、エレベーター、トイレなどのビル設備は、従業員のモチベーションに直結するだけではなく来客者に抱かせるイメージにも直結します。設備グレードが高いビルはビル自体のブランド力も高く、それを理由に入居を決める企業もあります。

セキュリティや耐久性の高いビルも同様に利用者・来客者ともに安心感が得られます。またどちらも2017年と比較して「セキュリティの高さ」は17%→22%、「耐久性の高さ」は21%→22%と増加傾向です。ここから、時代にあわせたセキュリティシステムの導入やビル や設備の耐久性向上に関心を向けておく必要があるとわかります。

7位|賃料の安さは重要視されない傾向(19%)

賃料の安さは2017年の20%から2018年19%と割合が落ちています。経営状況が悪い場合などは賃料を理由に安い物件に移転することもあり得ますが、選ばれるトレンドとしては賃料の安さよりも「ブランド力」や「利用効率」などが求められている傾向にあるといえます。

同率8位は2つ|防災体制・企業ステイタスの向上(14%)

防災体制・バックアップ体制の優れたビルが14%で8位でした。セキュリティ関連とも重複する内容ですが、ここ数年における自然災害の多発などの影響から選ばれやすい項目といえます。ビル の立地や災害時の非常電源確保方法など、安心して利用できる体制が整っているかどうかチェックしておくとよいでしょう。

同率8位にランクインしたのが企業ステイタスの向上です。例えば地方より東京23区に本社を置くことで企業ステイタスを高めたいという理由もあります。

どちらの理由も2017年調査時も14%と、割合に変化はありません。

10位|オフィスビルの建て替えのため(11%)

10位は、現状入居しているオフィスビルが立て替えするため移転したという理由です。2017年は9%に対して2018年は11%と2ポイント上がっています。1~9位の理由に比べると企業側の要望ではなく「やむを得ない理由」での移転です。逆に考えると、この数字はオフィスビルの建て替えが継続的に一定数以上行われていることの実証でもあります。

市場のニーズを的確にとらえたビル経営を!

企業のビル 入居や移転の理由を見てきました。どのようなビルが選ばれやすいかが調査結果から見えてきたと思います。

不動産運用の成功の鍵は、まず市場のニーズを的確にとらえることです。これはビル投資やビル運用においても変わりません。入居や移転のニーズは時代の移り変わりにより徐々に変化していく傾向があります。そのため不動産投資を行っただけで安心してしまうのではなく、定期的に市場の動向やトレンド傾向をチェックし続けることが重要になります。

これらの情報から将来を見据え、場合によってはリフォームやリノベーションを行い入居する企業のニーズに対応していくことも戦略の一つとなるでしょう。