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定期的に行われる固定資産税評価額の見直し「評価替え」とは

(写真=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)

固定資産税は、毎年1月1日現在の土地・家屋(建物)や事業用の償却資産の所有者に課税される税金です。税額は固定資産税評価額をもとに決められますが、土地と建物については評価額が定期的に見直されます。今回は、この見直しである「評価替え」について解説します。

「評価替え」とは何か

土地や建物の価格は、変動します。固定資産税評価額もそれに合わせて見直されるべきですが、全国の土地や建物の評価額を毎年見直すことは難しく、評価にかかるコストも考慮して、原則として固定資産税評価額は3年ごとに見直されることになっています。これを「評価替え」と呼びます。

直近で評価替えが行われたのは2018年度(基準年度)で、2019年度・2020年度はこれをもとに固定資産税が決まります。2018年度の評価替えでは、2017 年1月1日を調査基準日として地価公示価格などの7割を目安に評価額の基礎となる路線価などが見直され、評価の均衡化と適正化が図られています。

評価替えが行われる手順

評価替えは、土地・建物それぞれで行われます。土地の評価は道路に付設された路線価をもとに、建物の評価は再建築価格をもとに行われます。この2つの価格が3年ごとに見直されることで、固定資産税が増減することになるのです。

1.土地の評価方法
まず、土地を商業・工業・住宅などの「用途地区」に区分します。その後、用途地区を「状況類似地区」(利用状況が類似した地区)に区分します。状況類似地区ごとに、標準的な街路(道路)とその道路に隣接する標準的な宅地(標準宅地)を選定します。標準宅地は奥行や間口、形状などを考慮して、極端な不整形地ではない土地が選ばれます。

その標準宅地の公示価格などの7割を目途に「時価」が決定し、標準宅地に沿接する道路に、その時価をもとに算出された宅地1平方メートルあたりの「路線価」が付設されます。その他の道路についても、標準宅地に沿接する街路の路線価に比準して路線価が付設されます。

評価替えが行われた後、その路線価をもとに土地の形状などを考慮した画地補正率(奥行価格補正率・側方路線影響加算率・二方路線影響加算率など)を掛けて1平方メートルあたりの価格が算出されます。固定資産税評価額は、その価格にその土地の地積を掛けて算出されます。

・土地の評価方法:路線価×画地補正率×地積(平方メートル)

2.建物の評価方法
建物は、「再建築価格」によって評価されます。これは、評価の時点で評価対象の建物と同一の建物をその土地に新築する場合に必要な建築費を求めた後、その対象建物の建築後経過年数に応じた評価減を考慮して価格を求める方法です。

具体的には、対象建物が「どんな材料をどれくらい使っているか(再建築費評点数)」「建築後の経過年数に応じた減価率(経年減点補正率)」「対象地域に応じた物価水準と設計管理費・一般管理費などの費用(評点一点当たりの価額)」によって評価額が算出されます。

・建物の評価方法=単位当たり再建築費評点×経年減点補正率×床面積(平方メートル)×評点一点当たりの価額

急激に評価額が変動した場合は?

このような方法で3年に一度評価額が見直されますが、特に土地は地価の上昇などで急激に評価額が変動する可能性があります。このような場合は「負担水準」をもとに今年度の課税標準額を決定して、評価替えによる価格の上昇に伴う税負担の大幅な増加を緩和する「負担調整措置」が取られます。

・負担水準:前年度の課税標準額÷今年度の評価額

<商業地など>
1.負担水準が70%以上:今年度の評価額の70%に引き下げ
2.負担水準が60%以上70%未満:前年度課税標準額と同額に据え置き
3.負担水準が60%未満:徐々に引上げ

<住宅用地>
1.負担水準が100%以上:課税標準額は評価額の100%とする
2.負担水準が100%未満:徐々に引上げ

このように、負担水準によって固定資産税の負担が増えるケースもあります。また、土地の価格が上昇したことによる急激な税負担の増加を抑えるために、税額が前年度の税額に1.1を乗じた額を超える場合は、超えた額に相当する税額を減額する措置が取られます。なお固定資産税は地方税であり、各市区町村によって条例の内容が異なるため、詳細は該当する市区町村に確認する必要があります。

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