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建築基準法の用途変更が緩和。具体的に何が変わるのか

(写真=PIXTA)

建築基準法の用途変更が緩和されます。空き家問題を受けて、住宅を他の用途に変更できる基準を緩和し、リノベーションを促す狙いがありますが、用途変更の基準は具体的にどのように変わるのでしょうか。

建築基準法改正の背景

建築基準法改正の背景には、深刻化する空き家問題があります。総務省が5年ごとに公表している「住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果」によると、平成25年に819万5,600戸だった空き家が、平成30年には848万8,600戸と約3.6%増加しています。
空き家は右肩上がりで増え続け、野村総合研究所の予測では2033年に2,146万戸に達するという危機的な見通しとなっています。

そこで国土交通省は建築基準法の一部を改正し、用途変更に伴って建築確認が必要となる規模を見直しました。

用途変更とは何か

建築基準法における用途変更とは、既存建築物の用途を別の用途に変更することを指します。例えば、住宅を店舗に変更したり、倉庫を診療所に変更したりするなどがわかりやすいでしょう。

空き家問題の解消に、既存の建物をリノベーションすることは極めて有効といえます。
この理由の一つとして、新築住宅が建築されることで、その新築住居に入居する人が以前住んでいた住宅は空き家になってしまうことが挙げられます。しかし、既存の住宅を他の用途に変更し利用するケースが増えれば、住宅の総数は減少し、既存住宅は別用途で再利用されるため、空き家の増加を抑えることができます。

確認申請が必要な基準

空き家が減らない要因の一つに、一定以上の規模の住宅を用途変更する場合は確認申請が必要になることがあります。

規模基準の見直しと変更後

規模の基準は土地面積ではなく延べ床面積(床面積の合計)となっています。これまでは「対象建築物の用途に供する部分の床面積合計が100平方メートルを超えるもの」だったため、多くの住宅が対象になっていました。
また東京都の場合、確認申請には「100平方メートルを超え200平方メートル以内のもの」で1万4,000円、さいたま市住宅検査センターでは3万円の手数料がかかることもネックになっていたといえます。

そこで、確認申請が必要な規模の基準が見直されました。これまでは、確認申請書を提出する基準が「対象建築物の用途に供する部分の床面積合計が100平方メートルを超えるもの」でしたが、改正後は「200平方メートルを超えるもの」に緩和されます。規模基準の対象から外れる住宅が増えることで、他の用途への変更やリノベーションを促進することが狙いです。

特殊建築物の場合

建築基準法で指定されている特殊建築物の場合、類似する用途の建物であれば200平方メートルを超えるものであっても確認申請は不要です。
例えば、
・映画館→演芸場
・ホテル→旅館
・病院→診療所
・百貨店→スーパーマーケット
といった類似形態の建物であれば、確認を受けることなくリノベーションできることになります。

用途変更緩和でリノベーション活性化への期待が高まる

用途変更の緩和によって、既存建物のリノベーションは進むのでしょうか。

建物を設計できるのは原則として建築士などの有資格者ですが、確認申請が不要になれば建築士の裁量でリノベーションを行うことができます。行政機関を通さず、建築事務所や工務店とのやり取りだけで進められるのは、オーナーにとって大きなメリットといえるでしょう。

街ぐるみでリノベーションを実施する例も全国各地で見られるようになりました。税制改革大綱で、所有期間5年以上、価格500万円以下の低未利用地を売却する場合に100万円の特別控除が設けられたことから、売却して街のリノベーション計画に協力するという方法もあります。

建築基準法の用途変更の緩和が既存建築物のリノベーションを活性化させ、空き家問題の改善につながれば、国・自治体と不動産・住宅業界の両者にとって実りある改正になるでしょう。

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